今回は
『キャブコン編』 ということで、国内では特にファミリー層には絶大な支持率を誇り、ビルダーの個性が出しやすく、バリエーションに富んだカテゴリであると思われますので、半端なレポートを書くとお叱りを受けそうで怖いですが、個人的意見として大目に見てやって下さい。
キャブコンバージョンは読んで字の如く、トラックのキャブ部分を残し、荷台部分にキャビンを架装したのもで、カムロード等のいわゆる商用トラックをベースにすると、比較的安価でスペース効率のよいキャンピングカーができるというメリットがあります(ボンネットがないので、居住部分以外のスペースを最小限に抑えられます)。
キャブコン ビルダー数あれど、やはり放浪号の生みの親である
ナッツRV は外せません。
今回は大型で豪華なボーダー6.0の他に クレソン と ミラージュ の特別仕様車であるウィンディが展示されていました↓
ウィンディは、その名の如く、ウィンドーエアコンが標準装備(当然、発電機も)されています。
これが、クレソン ウィンディで 500万円ちょいだなんて...キャンピングカーの価格破壊がやってきたのか? と思うほどです。
(エアコンについては、意見が分かれると思いますので、また別の機会に...私が異議あるだけ?)
さて、最近のキャブコンは、
■ワンランク上の上級化
(豪華仕様で、ベース車はカムロード以上のクラスです)
■二人旅を前面に押し出したコンパクト化
(最小限仕様で、ベース車はボンゴやライトエースクラスです)
の両極端に広がってきていることを前にも述べましたが、今回のショーを観察してこのことを痛感させられました。
特に今回、この
『二人旅』というキーワードが目立ち、実際に中高年のご夫婦が真剣に各ブースを回っておられることが非常に新鮮でした。
昨年一年、仕事の都合でキャンピングカーショーの類は全く行かなかったこともあり、以前のキャンピングカーショーといえば、いかにもキャンプ好きの家族が各ブースに目立ったと記憶しているのですが、今回は中高年のご夫婦で占拠されているようなブースもあり、非常に新鮮に感じました。
そして、数ある二人旅を前提としたキャブコンの中で今回、私が一番気になったのはコレ↓
エートゥゼット(AtoZ)のアミティRR
何が凄いって、全長がたったの 4,600mm しかないのです。
これはもう5ナンバーの1Boxサイズですね!
しかも、このサイズでトイレルームやクローゼットまでもが
ちゃんと(←ココ大事ですよ!)装備されているのです。
因みに、代表的な5ナンバーの1Boxの全長は、
・日産 セレナ: 4,690mm
・トヨタ ノアが: 4,625mm
・ホンダ スッテプワゴン: 4,630mm
となっていますが...
セレナやノア、ステップワゴン
に対座シートに加えてベッドや
ギャレー、それにトイレルーム
とクローゼットまでを装備した
車を想像することができるで
しょうか?
(注:車幅は26cm広いですが)
実は私が見た限りでは、トイレルームもクローゼットも、我が放浪号より広かったのがショックです..._| ̄|○
(放浪号のサイズは
『キャンピングカー考【サイズ編】』の通り、全長 4,970mm です。)
何故そのようなことが可能なのかと言うと、秘密はレイアウトにあるのです(レイアウト詳細は
AtoZのウェブサイト参照)。
キャブコンのレイアウトはビルダーの数以上ありますが、大まかにエントランスドアの位置で分けることができます。
1.車体の側面(日本だと左側面)の中心付近(前後車輪の間)にあるもの
2.車体の側面(日本だと左側面)の後方(後ろの車輪より後ろ)にあるもの
3.車体の後ろ面(1Boxのリアゲート部分)にあるもの
に分けられ、この アミティRR は 3番目の
『車体の後ろ面にエントランスドアが付いている』 のです( 「RR」 はリアリアという意味らしい?)。
このレイアウトはスペース効率が非常に良く、これまでにこのレイアウトで発売されたキャンカーは、私の記憶だけでも...
・カリフォルニアドリームのイーグル
(実は発売された時、『これしかない!』 と興奮した記憶があります。)
・
ロッキーのコマンダー
(興奮して販売店まで見に行きました。)
・
グローバルのアスリートBE(←バックエントランスの意味らしい)
(買い替え時に候補に挙がった車のひとつです。)
というように、もしネット通販なら勢いでポチッとしていたかも知れないほど、憧れたレイアウトなのですが、キャンプ向きではないからか、なかなか数が出ませんでした。
キャンプの場合、キャンプ場のサイトにもよりますが、サイドオーニング(いわゆるタープですね)がサイドについている関係上、キャンピングカーの横にお店を広げるのが一般的になります。
よって、キャンピングカーのサイドにエントランスドアがないと、何かと出入りが億劫になります。
(冷蔵庫のビールや、つまみのチーズを取り出すのが面倒...って酒関連しか思い浮かばない私って...)
サイトによっては後方が垣根だったり、絶壁だったりすることもあります。
また、昼間は良いですが、夜暗くなるとオーニングと離れた車の後方には明かりが必要となります。
また、キャンプはいつも晴れているとは限りません。
雨のときこそ、キャンピングカーの恩恵を最大限に受けなければいけないのに、エントランスドアがオーニングの下にないのは致命的です。
このような理由で、後方エントランスドアは敬遠されて来たのです。
しかし、ここにきて事情が変わったように思います。
それは、最近のキャンピングカーは、もはやキャンピングカーでなくなってきていると考えられるからです。
要するに、キャンピングカーと言いつつ、キャンプしない使い方が増えてきたということです。
コンセプトも
『二人旅』 であって
『二人キャンプ』 ではないのです。
キャンプの為のキャンピング車両ではなく、旅の為の
旅車なのです。
実際、最近はサイドオーニングを装着しない方が多いと聞きます。
こうなると、エントランスドアがサイドにある必要はないかもしれません。
後方エントランスについて、私なりに考えてみました...
例によって、私の独断的意見です↓
■小型化
同じ装備であれば、他の位置にエントランスがあるキャンカーより小型にできますので、当然、小回りが利き、旅もしやすいのではないでしょうか?
■後ろから出入りする場面
道の駅等で隣の車との間隔が狭くて運転席や助手席のドアから降りられない場合、後方ドアから降りることができるのは結構便利なのかもしれません(エントランスドアも側面なら車外に出られませんね)。
■エントランスドアの使用頻度
二人旅で使用するのは、ほとんど運転席と助手席ドアではないでしょうか?
こうして考えてみると、二人旅専用であれば、そもそもエントランスドア自体必要ないのでは? と思ったりもしてきます。
事実、私が放浪中に(キャンプ場での使用以外で)エントランスドアを使用することは、0(ゼロ)に等しいことからも裏付けられます。
キャンプのようにテーブルやチェアを外に出して、出入りを繰り返すような使い方であれば、運転席や助手席から出入りするのは非常に大変だと思います。
しかし、二人旅車として使う場合はどうでしょう?
旅の途中、道の駅に着いてこれから休息、或いはP泊する場合を想像してみて下さい。
貴方なら今乗っている運転席や助手席から、わざわざ車外に出てエントランスドアからキャビンに乗り込むでしょうか?
直接キャビンに乗り込む方が楽なのではないでしょうか?
しかも、寒い冬に何度もドアを開け閉めすれば、せっかく温まった車内に冷気が入りますし、トイレも装備された車内から、わざわざ寒い外に出る必要性があるとは思えません。
夏であれば、蚊等の虫を車内に入れてしまう可能性もありますし、これから寝るのであれば蚊の侵入は致命的です。
また、雨の日なら尚更ではないでしょうか?
キャンピングカーが旅車として使われる比率が高くなった今、このような後方エントランスドアのものが増えてくるかもしれませんね。
しかしながら、このようにキャンプしないキャンピングカーが増えてきた今、
キャンピングカーという呼び名を変えなければならない時期に来たのかもしれませんね。
例えば、トラベリングカーとか...(←そのまんまで、センス無し)
そうすれば、Pキャンプという誤解を招く言葉も生まれてこなかったでしょうし、駐車場で平然とキャンプしてしまう勘違いな迷惑キャンピングカーも出てこなかったのではと思います。
といっても、ほとんどのキャンピングカーはマナーよく楽しんでおられますし、常識的なマナーを守って使っていれば、これ以上に楽しい乗り物はありません。
これこそ、嫁に隠れてでも所有したい一品なのです...f^^;
PS.
毎度、文章能力のない長文に付き合って頂きありがとうございます。
例によって、ココまで読んだ貴方がオーナーになるのは...もう時間の問題なのかもしれません...